よりキズの小さな手術を求める声が高まり、手術機器の多くが「ダウンサイジング化」(10mm→5mm→3mm)されてきています。しかしながら「医療用綿棒」のダウンサイズは製法上の制約から、ながく5mmが限界となっていました。
綿棒は臓器の把持、挙上、組織の鈍的剥離等の目的で様々な外科手術に用いられるものであり、さらなる細径化が望まれています。
今回、大阪大学と山洋の共同研究で医療用綿棒を製法面から見直し、世界ではじめてその極細径化(3mm)に成功しました。
日本独自の綿棒製造製法により、従来の限界を超える細径化と、さらに自由な形状(凸凹型)のデザインが可能となりました。極細径化により、低侵襲(傷跡がほぼ残らない)、術中の視野が広がる、そして細かい作業を愛護的に行える等のメリットが期待されています。
微粒子数計測検査により、綿からの容出物(コットン屑)が極めて少ないことが確認されました。
体液中への異物溶出が少ないことによって、感染リスクが軽減されるのではないかと期待されています。
従来の手術用綿棒は手術中の体液浸軟により、表面形状が変化してパフォーマンスが低下すること(いわゆる「ヘタリ」)が臨床的に広く知られていました。弊社綿棒は、耐水性樹脂を綿部にコーティングすることにより、抗浸軟性を付与しました。また、X線CT撮影技術を応用した表面形状解析によって「膨化率」、「表面粗さ」といった客観的指標を用いて世界で初めて「浸軟による綿棒のパフォーマンス低下」ならびに「抗浸軟コーティングの有効性」を科学的に実証することに成功しました。まとめた論文は英文学術誌に掲載されています。※1
山洋は創業50年の綿棒一筋の製造メーカーです。
一般用綿棒では業界シェア39%のトップシェアメーカーです。※2
今回の医療用綿棒でも蓄積された技術と安心の品質によって「安全・安心」を第一に綿棒の製造をしています。
入数 | 仕様 | 寸法(mm) | 重量 |
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1本入り | 個装 | W543×D78×H4 | 12g |
10袋 | 内装 | W550×D84×H34 | 206g |
10箱 | 外装 | W560×D185×H180 | 2.5kg |